読書
ヘーゲルと現代思想の臨界―ポストモダンのフクロウたち作者: 岡本裕一朗出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 2009/03メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 42回この商品を含むブログ (4件) を見るヘーゲルの著作の誤読あるいは独自解釈に基づくヘーゲル…
「最近よく更新してますね」といわれますが(いわれてませんが)、以前読書ノートとったまま放置プレイしてたのを今バーゲンセールしているだけという説もあります。その辺の議論については明るくないのでぼくにはよくわかりませんが。・ ・ ・「言語ゲーム…
特に第一部の3章チョムスキー・クワイン論争と5章、6章の隠喩論がオモロかったんでその話をすることにしよう。・チョムスキー・クワイン論争チョムスキー・クワイン論争というのは60〜80年代、足かき20年にわたっておこなわれた論争のことで、部分的には一…
哲学者ロバート・ノージックが三十代にしてデビュー作『アナーキー・国家・ユートピア』を著し、注目を集めた7年後、政治哲学から一転して哲学本来の課題に取り組んで書き上げたのが本書だ。ロバート・ノージックは1938年にロシア系ユダヤ人移民の子として…
この文章は、『論考』を自己批判した後、言語ゲームといって謎めいたテクストを書き始めた【後期】ウィトゲンシュタインが世界の意味や美や宗教についてかなりまとまった形で述べている唯一の資料*1。しかし、最近日本でも流行しつつある「分析美学」のよう…
ごめん、オラ、前のエントリで嘘ついてた。 『交響するコスモス』の論文、戸田山サンの書いたものの最新じゃなかった。『認知科学』という雑誌の2010年12月号で短い文章書いてた。おそらくこれが現時点で最新*1。・戸田山和久 認知科学のなかで哲学に何がで…
以下は、戸田山(和久)さんが書いたもので本になったものでは、ほぼ最新のもの。戸田山さんのとこしか読んでないが面白かったので紹介したい。戸田山和久による序文まずはおさらい 網状モデルとはラウダンが編み出したモデル。クーンの「パラダイム」の改良…
戸田山和久「カントを自然化する」認知科学の基本的なテーゼのいくつかはカントにまで遡る、というのは古くから指摘されていて、デネットは、およそ何者かが経験することができるのはいかにしてか、というカントの問いを、システムがどのようにしたらXを成し…
人文書院のブックガイドシリーズの『科学哲学』を書いていた中山康雄氏による、自身の考えをかなり前面に打ち出した勝負の一冊。『科学哲学』もよかったが、本書もいい。ところでこの本、タイトルはいまいちな気がする。「唯名論」という字を見てもなんとな…
分析哲学者とか認知心理学者が対象にしている、表象とか志向性とか心身問題などを扱う分野に興味があるけどこの2010年代に、身体になにやら魂が宿っているという二元論を主張し続ける覚悟もなく(今そんな主張してると電波とか呼ばれますマジで)、しかし「…
形而上学レッスン―存在・時間・自由をめぐる哲学ガイド (現代哲学への招待Basics)作者: アールコニー,セオドアサイダー,Earl Conee,Theodore Sider,小山虎出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2009/12メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 141回この商品を含むブ…
最近デイヴィドソンが気になってて、前の記事で紹介した森本浩一氏や戸田山和久氏なども推薦している本格的なデイヴィドソンの解説書に手を出してみた。森本氏の入門書は言語哲学を中心に扱っていたけど、デイヴィドソンは行為や心についての哲学、形而上学…
あなたが友人と遊んでいるときに、飲み物やおつまみかなんか足りなくなって、買い物に行こうと席を立ったときにある友人が「おれ(わたし)も一緒に行く」と言ったとしたら。まあまず、「同行の意思の表明」だと受け止めるよね。常識的に考えて。その一階上…
「入門書だからといって水準を落とすことなく、……名著です」戸田山和久*1 「アメリカ哲学はこんなに面白いのだ、カッコいいのだ!と大声で布教したい私としては、格好の一冊」三浦俊彦*2 分析哲学をひとつの円で表せばクワインはウィトゲンシュタインなんか…
もはや古典の感すら纏いつつある一冊。 オリジナルは1975年に書かれたものですが、重要ということで。まあ、そのことに留意しつつ読む必要があるけど。しかし19世紀の本とかだと古い感じがしないのに、70年代、80年代の本の、この古臭さってなんでしょうね笑…
門脇俊介氏はハイデガー研究者であるが、本人も述べているように、ハイデガー哲学をアクチュアルなものとして分析哲学や認知科学との対話に多くの労力を費やしてきた異端のハイデガー哲学者である。その信念と研究活動はアメリカの哲学者ドレイファスやロー…
予約していたのが届いたので。 中野さんは「思想色が強い(実践的な内容より今はそっちのほうが求められてるから)」と書いてましたがほどよく思想的・理論的、ほどよく実践的という感じでしょうか。統計データとかはあまり出てこないタイプです。ところでタ…
借りてきたはいいものの評判どおりめちゃめちゃ難解であえなくフルボッコに。ローティによる解説で精一杯だった。いつかまた挑む。 ウィルフリド・セラーズはクワインと並んで20世紀アメリカを代表する哲学者であり、『経験論と心の哲学』は分析哲学のひとつ…
今人文書院からブックガイドシリーズが始まっていて、詳しくはここを読んでいただきたいのであるが http://www.jimbunshoin.co.jp/news/n1460.htmlこの手のシリーズにして目立つのは沖縄論やマンガ・スタディーズあたりかな。 私は『科学哲学』を購入。シリ…
なぜかデリダを読んだり。 思ったより読みやすくてデリダせんせいの好感度アップ。 最近めっきり寒くなってきましたがみなさま、風邪など召されぬよう。 といっても無茶して風邪ひく奴は何言ったところで無茶して風邪ひくんだろうケドな!wマルクスの亡霊た…
鶴見俊輔に関しては正直ノーマークだった。プラグマティズムの輸入者程度に思っていた。 まさかハーバード大学でホワイトヘッドやラッセル、クワイン、カルナップといった英米系哲学者の、目もくらむメンツに直で教わっていたとは。しかも分析哲学・科学哲学…
RATIOで戸田山和久氏・伊勢田哲治氏が往復書簡の連載をしていると知ってとりあえず最終回の載っている6号購入。これからまったりとコンプしていきたい。で、コンプした途端にまとまった本になったりしてね(笑)。 科学哲学では自分の知るところではとりあ…
A)X:利益 Y:道徳B)X:公正 Y:安定・成長C)X:自由な関係性(連帯/家父長制) Y:人為的なリベラル制(自己責任)D)X:包摂主義 Y:非包摂主義具体的には ↓ 上の表以外はこちらYYYY…近代卓越主義YYYX…共和主義YXYY…耽美的破壊主義、支配者嫌悪主義XXXX…国家型…
どうも"新自由主義"とか"ネオリベ"という言葉が一人歩きしてるというかマジックワードみたいになってる気がして、最近新自由主義について調べているんですが、新自由主義の問題提起の代表選手ということで、デヴィッド・ハーヴェイ『新自由主義』を手にとっ…
フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる社会学作者: 現代位相研究所編,堀内進之介,大河原麻衣,山本祥弘,塚越健司出版社/メーカー: 日本実業出版社発売日: 2010/04/15メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 332回この商品を含むブログ (12件)…
ネット評判社会 (NTT出版ライブラリーレゾナント057)作者: 山岸俊男,吉開範章出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2009/10/07メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 72回この商品を含むブログ (32件) を見るアマゾンレビューにも投稿し…
書きたがる脳 言語と創造性の科学作者: アリス・W・フラハティ,茂木健一郎,吉田利子出版社/メーカー: ランダムハウス講談社発売日: 2006/02/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 61回この商品を含むブログ (28件) を見るブログをやっている人で突然スラン…
暴走する脳科学 (光文社新書)作者: 河野哲也出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/11/14メディア: 新書購入: 7人 クリック: 99回この商品を含むブログ (42件) を見る心の脳科学―「わたし」は脳から生まれる (中公新書)作者: 坂井克之出版社/メーカー: 中央公…
市場主義のたそがれ―新自由主義の光と影 (中公新書)作者: 根井雅弘出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2009/06メディア: 新書購入: 2人 クリック: 34回この商品を含むブログ (15件) を見る市場主義の牙城であるシカゴ学派の系譜について書かれた新書。市…
考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書)作者: 市川伸一出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1997/02メディア: 新書購入: 20人 クリック: 150回この商品を含むブログ (59件) を見るあらゆる学問では「推論」を行っているけれど、その推論自体…