読書

『丸山眞男の時代』竹内洋

丸山眞男の時代―大学・知識人・ジャーナリズム (中公新書)作者: 竹内洋出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2005/11メディア: 新書購入: 2人 クリック: 41回この商品を含むブログ (99件) を見る丸山眞男本人の著作はまだ一冊も読んでないんだけど、政治・…

『吉田茂と昭和史』井上寿一

吉田茂と昭和史 (講談社現代新書)作者: 井上寿一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/06/18メディア: 新書購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (12件) を見る「完全非武装と憲法改正論の両方からの攻撃に耐え、論理的にはあいまいな立場を断固と…

『科学哲学の冒険』戸田山和久

科学哲学の冒険―サイエンスの目的と方法をさぐる (NHKブックス)作者: 戸田山和久出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2005/01メディア: 単行本購入: 20人 クリック: 134回この商品を含むブログ (136件) を見る軽妙な語り口と髭が特徴の戸田山和久さん…

科学史における哲学者

科学その歩み作者: 藤村淳出版社/メーカー: 東京教学社発売日: 1988/04メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る本書が扱うのは科学史であるが、アリストテレスやデカルトといった哲学者も登場する。本書を読むと、今でこそ哲学と科…

科学と科学史について

藤村淳『科学その歩み』(東京数学社) 序章の要約 「人間は考える葦である」といったのはパスカルだった。しかし、人類と自然界の諸多の動物種とをこの理性もしくは思惟という点で区別することはそれなりに理由はあるが、一面的でもある。人間の理性は文明…

『ニッポンの思想』佐々木敦

ニッポンの思想 (講談社現代新書)作者: 佐々木敦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/07/17メディア: 新書購入: 17人 クリック: 199回この商品を含むブログ (166件) を見る佐々木敦氏『ニッポンの思想』卒読。レビューはAmazonに書きました。佐々木敦という…

『早わかり日本史』

早わかり日本史 (第2版)作者: 河合敦出版社/メーカー: 日本実業出版社発売日: 2008/09/30メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 4回この商品を含むブログ (6件) を見る自分は大学受験は世界史を選んだんですが(二次試験の論述も)、最近評論などを読…

『ロラン・バルト』グレアム・アレン

ロラン・バルト (シリーズ 現代思想ガイドブック)作者: グレアムアレン,Graham Allen,原宏之出版社/メーカー: 青土社発売日: 2006/04メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 4回この商品を含むブログ (11件) を見るバルトの思想を一言で表すのは難しい。しいて…

SIGHT vol.40 極私的まとめ

SIGHT (サイト) 2009年 07月号 [雑誌]出版社/メーカー: ロッキング・オン発売日: 2009/05/30メディア: 雑誌 クリック: 75回この商品を含むブログ (6件) を見るここに書いてあるのは私的なまとめです。購入を考えてる人が参考にしたりすればいいと思います。…

『レヴィナス 何のために生きるのか』小泉義之

レヴィナス―何のために生きるのか (シリーズ・哲学のエッセンス)作者: 小泉義之出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2003/03メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 19回この商品を含むブログ (37件) を見るフランス出身のユダヤ人哲学者のエマニュエル…

『ハーバーマス コミュニケーション行為』中岡成文

ハーバーマス (「現代思想の冒険者たち」Select)作者: 中岡成文出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/07/11メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 5人 クリック: 19回この商品を含むブログ (33件) を見るドイツの哲学者ユルゲン・ハーバーマスは面白い人だ…

宮台真司『日本の難点』

日本の難点 (幻冬舎新書)作者: 宮台真司出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2009/04メディア: 新書購入: 28人 クリック: 233回この商品を含むブログ (228件) を見る発売してすぐに買って読んでみた。そして読後にAmazonにレビューも投稿してみた。今のところけ…

ミシェル・フーコー『わたしは花火師です』

わたしは花火師です―フーコーは語る (ちくま学芸文庫)作者: ミシェルフーコー,Michel Foucault,中山元出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/09/10メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 40回この商品を含むブログ (44件) を見る構造主義を代表する思想家フー…

下條信輔『サブリミナル・インパクト』

サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)作者: 下條信輔出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/12メディア: 新書購入: 19人 クリック: 79回この商品を含むブログ (73件) を見る人間の記憶や知覚には顕在領域の他に潜在領域があり、潜在…

栗原隆『ヘーゲル 生きてゆく力としての弁証法』

ヘーゲル―生きてゆく力としての弁証法 (シリーズ・哲学のエッセンス)作者: 栗原隆出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2004/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (16件) を見るこのシリーズは以前サルトルのを買って当た…

現代思想の源流

現代思想の源流 (「現代思想の冒険者たち」Select)作者: 今村仁司,三島憲一,鷲田清一,野家啓一,矢代梓出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/06/11メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (18件) を見る現代思想の冒…

斎藤環『心理学化する社会』(文庫版)

心理学化する社会 (河出文庫)作者: 斎藤環出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/01/26メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 80回この商品を含むブログ (31件) を見るこの人の本ははじめて読んだ。学者の中では比較的メディアの露出が多かったり(爆笑問…

高根正昭『創造の方法学』

創造の方法学 (講談社現代新書)作者: 高根正昭出版社/メーカー: 講談社発売日: 1979/09/18メディア: 新書購入: 49人 クリック: 368回この商品を含むブログ (58件) を見るちょっと前に読んだ大塚久雄の『社会科学の方法』はマルクス、ヴェーバーの採った方法…

養老孟司他『バカにならない読書術』

バカにならない読書術 (朝日新書 72)作者: 養老孟司,池田清彦,吉岡忍出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2007/10/12メディア: 新書購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (34件) を見る限られた時間の中で、何を、どのように読むべきかということに…

門倉貴史『統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか?』

統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか? (光文社新書)作者: 門倉貴史出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/10/17メディア: 新書購入: 18人 クリック: 269回この商品を含むブログ (85件) を見る様々な事例をあげつつ一部の統計の、現実とのズレが生じる、その…

遙洋子『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』

初出は2000年ですが今更ながら読んでみました。遙洋子さんが上野ゼミに参加していた3年間をまとめたエッセイ。東京大学上野ゼミの様子が垣間見れて興味深い。上野さんは大学ではかなり厳しい様子で、自分だったらこんな環境無理だろうな、と思った。そんな…

『アレント 公共性の復権』

大学の社会思想史でアーレントをやるとのことで予習もかねて本書を購入。ところでアーレントとアレント、日本での名前分かれてるみたいなんですが、自分はとりあえずアーレントと呼ぶことにします。本書は『全体主義の起源』、『人間の条件』など代表作が大…

加藤周一『20世紀の自画像』

社会を語ったり政治を語ったりというのは多かれ少なかれ「空から地上を眺める」という性質を持つ行為だと思うんだけど、加藤周一という人は評論家でありながら高みに立って傍観するという事に懐疑的だった人でした。 それは直接的な経験を重視するサルトルの…

「国際正義の論理」押村高

前半は古代コスモポリタニズムから始まり、宗教改革、十字軍、世界大戦など世界史の重要な出来事を辿りつつ、そうした背景から生まれたホッブズ、カント、ロールズ、センなどといった思想家・学者の思想を紹介し、グローバルな正義や規範の変容を描いていき…

社会学ベーシックス

世界思想社が創業60周年記念企画として社会学ベーシックスシリーズというのを刊行しておりまして(現在1巻と2巻)、どんなモノかというと全10巻で一巻につき一つの社会学的なテーマが決まっていて、そのテーマの重要な文献を20冊ほど解説するというも…

「カーニヴァル化する社会」とゼロアカ

鈴木謙介さんの「カーニヴァル化する社会」読了。宮台さんのお弟子さんだけあって知的冒険の意欲が感じられる一冊です。カーニヴァルとはZ.バウマンの提起した概念で、鈴木さんはそれを援用しつつ日本の社会を論じています。自分なりにまとめると、大きな物…