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日本カント協会編『日本カント研究8 カントと心の哲学』

戸田山和久「カントを自然化する」認知科学の基本的なテーゼのいくつかはカントにまで遡る、というのは古くから指摘されていて、デネットは、およそ何者かが経験することができるのはいかにしてか、というカントの問いを、システムがどのようにしたらXを成し…

映画『kocorono』観てきた

渋谷のシアターNでbloodthirsty butchersのドキュメンタリー映画を観てきた。 タイトルは『kocorono』でこれは彼らの1996年の傑作アルバムのタイトルでもある。メンバーの活動の映像が中心で、所々に吉野さんとかSEIKIさんといった界隈の人たちがコメントし…

中山康雄『現代唯名論の構築』

人文書院のブックガイドシリーズの『科学哲学』を書いていた中山康雄氏による、自身の考えをかなり前面に打ち出した勝負の一冊。『科学哲学』もよかったが、本書もいい。ところでこの本、タイトルはいまいちな気がする。「唯名論」という字を見てもなんとな…

ルース・ギャレット・ミリカン『意味と目的の世界』

分析哲学者とか認知心理学者が対象にしている、表象とか志向性とか心身問題などを扱う分野に興味があるけどこの2010年代に、身体になにやら魂が宿っているという二元論を主張し続ける覚悟もなく(今そんな主張してると電波とか呼ばれますマジで)、しかし「…

アール・コニー+セオドア・サイダー『形而上学レッスン』

形而上学レッスン―存在・時間・自由をめぐる哲学ガイド (現代哲学への招待Basics)作者: アールコニー,セオドアサイダー,Earl Conee,Theodore Sider,小山虎出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2009/12メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 141回この商品を含むブ…

サイモン・エヴニン『デイヴィドソン 行為と言語の哲学』

最近デイヴィドソンが気になってて、前の記事で紹介した森本浩一氏や戸田山和久氏なども推薦している本格的なデイヴィドソンの解説書に手を出してみた。森本氏の入門書は言語哲学を中心に扱っていたけど、デイヴィドソンは行為や心についての哲学、形而上学…

「言語」なんて存在するのだろうか

あなたが友人と遊んでいるときに、飲み物やおつまみかなんか足りなくなって、買い物に行こうと席を立ったときにある友人が「おれ(わたし)も一緒に行く」と言ったとしたら。まあまず、「同行の意思の表明」だと受け止めるよね。常識的に考えて。その一階上…

丹治信春『クワイン ホーリズムの哲学』

「入門書だからといって水準を落とすことなく、……名著です」戸田山和久*1 「アメリカ哲学はこんなに面白いのだ、カッコいいのだ!と大声で布教したい私としては、格好の一冊」三浦俊彦*2 分析哲学をひとつの円で表せばクワインはウィトゲンシュタインなんか…

伊勢田哲治『認識論を社会化する』

かつて藤野寛と伊勢田哲治は鶴見俊輔のインタビューで、鶴見がハーバードで哲学を学んでいたこと、その成果をかつては日本で仕事にしていたことを取り上げ「鶴見俊輔は哲学者か?という問いが立つと思う」と言っていたが、それに沿っていえば、「伊勢田哲治…

イアン・ハッキング『言語はなぜ哲学の問題になるのか』

もはや古典の感すら纏いつつある一冊。 オリジナルは1975年に書かれたものですが、重要ということで。まあ、そのことに留意しつつ読む必要があるけど。しかし19世紀の本とかだと古い感じがしないのに、70年代、80年代の本の、この古臭さってなんでしょうね笑…

あけましておめでとうございます

というわけでこんな辺境の地にわざわざ来てくれるカタガタにとって今年がいい年でありますように。おれ、今借りてor買って積んでる小難しい本消化してブログに書くの終わったら しばらくブログ更新頻度下げて、まったりと小説読んだり映画みるんだ…。

門脇俊介『破壊と構築 [ハイデガー哲学の二つの位相]』

門脇俊介氏はハイデガー研究者であるが、本人も述べているように、ハイデガー哲学をアクチュアルなものとして分析哲学や認知科学との対話に多くの労力を費やしてきた異端のハイデガー哲学者である。その信念と研究活動はアメリカの哲学者ドレイファスやロー…

『成長なき時代の「国家」を構想する ―経済政策のオルタナティヴ・ヴィジョン―』

予約していたのが届いたので。 中野さんは「思想色が強い(実践的な内容より今はそっちのほうが求められてるから)」と書いてましたがほどよく思想的・理論的、ほどよく実践的という感じでしょうか。統計データとかはあまり出てこないタイプです。ところでタ…

ウィルフリド・セラーズ『経験論と心の哲学』についてのメモ

借りてきたはいいものの評判どおりめちゃめちゃ難解であえなくフルボッコに。ローティによる解説で精一杯だった。いつかまた挑む。 ウィルフリド・セラーズはクワインと並んで20世紀アメリカを代表する哲学者であり、『経験論と心の哲学』は分析哲学のひとつ…

中山康雄『科学哲学』

今人文書院からブックガイドシリーズが始まっていて、詳しくはここを読んでいただきたいのであるが http://www.jimbunshoin.co.jp/news/n1460.htmlこの手のシリーズにして目立つのは沖縄論やマンガ・スタディーズあたりかな。 私は『科学哲学』を購入。シリ…

そんな装備で大丈夫か

なぜかデリダを読んだり。 思ったより読みやすくてデリダせんせいの好感度アップ。 最近めっきり寒くなってきましたがみなさま、風邪など召されぬよう。 といっても無茶して風邪ひく奴は何言ったところで無茶して風邪ひくんだろうケドな!wマルクスの亡霊た…

日本社会のオルタナティブ・ビジョン

おととい、首都大の学祭のイベントのこれ↓ちょっとみてきました。首都大学東京法学研究会「日本社会のオルタナティブ・ビジョン――共同体から幸福を問い直す」出演者 中野剛志先生×宮台真司先生×谷口功一先生以前谷口さんが告知していたナカニシヤから出る『…

黒田亘のシンポ@東大本郷

に、おととい、行ってきた。といっても黒田亘については日本の分析哲学の開拓者というぐらいしか知らんかったのであるが。まあ、戸田山和久さんを生でみれるというのが大きかった。ミーハーですいません。内容は志向性とか因果性とか行為論とか。戸田山さん…

奇妙なすれ違い─伊勢田哲治・藤野寛による鶴見俊輔インタビュー

鶴見俊輔に関しては正直ノーマークだった。プラグマティズムの輸入者程度に思っていた。 まさかハーバード大学でホワイトヘッドやラッセル、クワイン、カルナップといった英米系哲学者の、目もくらむメンツに直で教わっていたとは。しかも分析哲学・科学哲学…

RATIO 06 戸田山・伊勢田往復書簡

RATIOで戸田山和久氏・伊勢田哲治氏が往復書簡の連載をしていると知ってとりあえず最終回の載っている6号購入。これからまったりとコンプしていきたい。で、コンプした途端にまとまった本になったりしてね(笑)。 科学哲学では自分の知るところではとりあ…

幹細胞医学が見る夢

先日第49回日本SF大会の市民公開講座「幹細胞医学が見る夢」に行ってきたのでちょっとその話でも。ちなみに会場でもらったパンフレットみたいなのに書いてあるのがこれ。↓ SFというジャンルはメアリー・シェリーの手による『フランケンシュタイン、ある…

痛みについての試論(グラフもあるよ)

さっきタンスに足の指ぶつけて思ったんですが、人間ってちょっとしたことで痛み感じすぎじゃないでしょうか。そもそも痛みって命を危険から守るためのものでしょう。ということは大して命に危険がないことはもう少し痛みを緩和すべきなのです。例えば現在下…

経済倫理=あなたはなに主義?

A)X:利益 Y:道徳B)X:公正 Y:安定・成長C)X:自由な関係性(連帯/家父長制) Y:人為的なリベラル制(自己責任)D)X:包摂主義 Y:非包摂主義具体的には ↓ 上の表以外はこちらYYYY…近代卓越主義YYYX…共和主義YXYY…耽美的破壊主義、支配者嫌悪主義XXXX…国家型…

!!!『Strange Weather, Isn't It?』

久々に音楽ネタ。 !!!と書いてチック・チック・チックと読みます。 2004年頃からそれなりに追っかけててこれは4枚目(日本でブレイクした"Louden Up Now"が1stだと思ってる人が多いようだがセルフタイトルのアルバムを2001年に出してる)。 2007年に出…

新自由主義関連のミニブックガイド

まだ全部読んでないのもありますが(←なんて奴だ!)。 別の目的で手にとって偶然知ったのですがイギリスの新自由主義についてのあれこれならこれが詳しい。第三の道―効率と公正の新たな同盟作者: アンソニーギデンズ,Anthony Giddens,佐和隆光出版社/メーカ…

東浩紀さんと"プチ思想"

一部で話題になっている東浩紀さんの三島由紀夫賞(おめでとうございます)の「受賞者自身による【略歴】」第23回三島由紀夫賞 受賞者自身による【略歴】|新潮|新潮社 下のほうに「意外なプチ思想ブームが到来して華麗に再生。」とあるんですがかつて東さ…

新自由主義って何だろうか

どうも"新自由主義"とか"ネオリベ"という言葉が一人歩きしてるというかマジックワードみたいになってる気がして、最近新自由主義について調べているんですが、新自由主義の問題提起の代表選手ということで、デヴィッド・ハーヴェイ『新自由主義』を手にとっ…

社会学を鳥瞰する―『本当にわかる社会学』

フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる社会学作者: 現代位相研究所編,堀内進之介,大河原麻衣,山本祥弘,塚越健司出版社/メーカー: 日本実業出版社発売日: 2010/04/15メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 332回この商品を含むブログ (12件)…

飯田泰之さんのダブスタ?

飯田泰之さんという優秀な若手マクロ経済学者さんがいるんですけれども。 『経済成長って何で必要なんだろう』と『日経ビジネス・新しい経済の教科書』という、割と発売日の近い2冊で正反対のこと言ってる(と思える)部分があったのでちょっと引用してみま…

復活!斎藤環×茂木健一郎の往復書簡

自分はかつて「斎藤環×茂木健一郎の往復書簡でモギケンから返事こない問題」についてこのブログで書いたことがあります*1。 ようは斎藤環さんの提案で茂木さんとの往復書簡の企画が始まったが環さんからの第一信以来2年間茂木さんから返事がなく、梨のつぶ…

脇田成『ナビゲート!日本経済』

ツイッターのほうに書く意欲を吸い取られてここ最近ブログがまったく更新出来んかった…。本はけっこう読んでたので、その分、読書メモみたいなのをこれからまたちょこちょこ書いていこうと思うのココロ。ナビゲート!日本経済 (ちくま新書)作者: 脇田成出版社…

twitterを始めてみた

巷間の人々のすなるtwitterというものを俺もしてみんとてするなり。 ちなみにこっちのほうはなんつうかもうほとんど内容皆無の誰得*1状態となっております。twitter.com/ryo_tsukakoshi *1:「誰が得するんだよ」の略。誰が得をするのかがわからない様が転じ…

山岸俊男・吉開範章『ネット評判社会』

ネット評判社会 (NTT出版ライブラリーレゾナント057)作者: 山岸俊男,吉開範章出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2009/10/07メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 72回この商品を含むブログ (32件) を見るアマゾンレビューにも投稿し…

アリス・W・フラハティ『書きたがる脳』

書きたがる脳 言語と創造性の科学作者: アリス・W・フラハティ,茂木健一郎,吉田利子出版社/メーカー: ランダムハウス講談社発売日: 2006/02/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 61回この商品を含むブログ (28件) を見るブログをやっている人で突然スラン…

スピッツのライブDVDが届いたよ

JAMBOREE TOUR 2009 ~さざなみOTRカスタム at さいたまスーパーアリーナ~(初回限定盤) [DVD]出版社/メーカー: UNIVERSAL J(P)(D)発売日: 2009/11/04メディア: DVD購入: 21人 クリック: 97回この商品を含むブログ (29件) を見る中はこんな感じ。 初回限定なの…

『暴走する脳科学』&『心の脳科学』

暴走する脳科学 (光文社新書)作者: 河野哲也出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/11/14メディア: 新書購入: 7人 クリック: 99回この商品を含むブログ (42件) を見る心の脳科学―「わたし」は脳から生まれる (中公新書)作者: 坂井克之出版社/メーカー: 中央公…

根井雅弘『市場主義のたそがれ』

市場主義のたそがれ―新自由主義の光と影 (中公新書)作者: 根井雅弘出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2009/06メディア: 新書購入: 2人 クリック: 34回この商品を含むブログ (15件) を見る市場主義の牙城であるシカゴ学派の系譜について書かれた新書。市…

「駄菓子」を「大人買い」

うまいチョコモナカっていううまい棒の派生商品みたいなのがあるのだが、この間ついダンボールごと(20個入り)買ってしまった。駄菓子を大人買いするといういささか語義矛盾気味な行為。何やってんだ俺は。いやだって好きなんだもん。みんなもコンビ二など…

市川伸一『考えることの科学』

考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書)作者: 市川伸一出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1997/02メディア: 新書購入: 20人 クリック: 150回この商品を含むブログ (59件) を見るあらゆる学問では「推論」を行っているけれど、その推論自体…

『丸山眞男の時代』竹内洋

丸山眞男の時代―大学・知識人・ジャーナリズム (中公新書)作者: 竹内洋出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2005/11メディア: 新書購入: 2人 クリック: 41回この商品を含むブログ (99件) を見る丸山眞男本人の著作はまだ一冊も読んでないんだけど、政治・…

『君は太陽』スピッツ

君は太陽アーティスト: スピッツ出版社/メーカー: ユニバーサルJ発売日: 2009/08/26メディア: CD購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (30件) を見るスピッツ35作目のシングル『君は太陽』をiTunesで購入。 今のところ最新ALである『さざなみCD』で…

『吉田茂と昭和史』井上寿一

吉田茂と昭和史 (講談社現代新書)作者: 井上寿一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/06/18メディア: 新書購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (12件) を見る「完全非武装と憲法改正論の両方からの攻撃に耐え、論理的にはあいまいな立場を断固と…

『科学哲学の冒険』戸田山和久

科学哲学の冒険―サイエンスの目的と方法をさぐる (NHKブックス)作者: 戸田山和久出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2005/01メディア: 単行本購入: 20人 クリック: 134回この商品を含むブログ (136件) を見る軽妙な語り口と髭が特徴の戸田山和久さん…

YAMAZEN 文庫本ラック

本や漫画が増えて部屋がゴチャゴチャしてきたのですっきりさせたく、新書専用の本棚が欲しいなーと思ってたらAmazonで丁度いいのがあったので購入。1600円で送料無料には抗えなかった(今見たら2000円になってた)。 幅60×奥行17×高さ89cm で、普通の厚さの…

科学史における哲学者

科学その歩み作者: 藤村淳出版社/メーカー: 東京教学社発売日: 1988/04メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る本書が扱うのは科学史であるが、アリストテレスやデカルトといった哲学者も登場する。本書を読むと、今でこそ哲学と科…

セカイ系のクリティカル・ターン@カルチャーサロン青山

昨日、青山ブックセンター本店にて行われる、若手批評家の評論集「社会は存在しない」という本の刊行記念イベントに行ってきた。不調で頭フラフラ気味だったし、批評とか「セカイ系」に関する文脈情報が必要だったり、抽象的な話が続いてあんまり理解できん…

科学と科学史について

藤村淳『科学その歩み』(東京数学社) 序章の要約 「人間は考える葦である」といったのはパスカルだった。しかし、人類と自然界の諸多の動物種とをこの理性もしくは思惟という点で区別することはそれなりに理由はあるが、一面的でもある。人間の理性は文明…

音楽ネタ2つ

1.エレグラ復活テクノからダンサブルなロックまで幅広いメンツの日本最大級の屋内レイヴ・イべントのエレクトラグライドが4年ぶりに復活。 出演アーティスト発表第一弾はBATTLES CHRIS CUNNINGHAM !!! CLARK FLYING LOTUS となっている。 03年、04年と行った…

『ニッポンの思想』佐々木敦

ニッポンの思想 (講談社現代新書)作者: 佐々木敦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/07/17メディア: 新書購入: 17人 クリック: 199回この商品を含むブログ (166件) を見る佐々木敦氏『ニッポンの思想』卒読。レビューはAmazonに書きました。佐々木敦という…

『早わかり日本史』

早わかり日本史 (第2版)作者: 河合敦出版社/メーカー: 日本実業出版社発売日: 2008/09/30メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 4回この商品を含むブログ (6件) を見る自分は大学受験は世界史を選んだんですが(二次試験の論述も)、最近評論などを読…