我々は吉野家でテーブルごと食している

最近近くに吉野家ができたんですよ。今まで吉野家行こうとすると最寄でも3kmくらい遠くまで行かなくちゃいけなかったんで、見つけた時は「気軽に吉野家通えるぜイヤッホウ」とか思って店に入ったんです。そしたら店の中がなんつーか和風レストランみたいになってんのな。あの「Uの字テーブル」がないんですよ。たぶん立地条件から経営戦略的に家族連れの客をねらったんだろうけど「Uの字テーブル」に慣れ親しんだ者としては変な心持ちがしましたね。出てきたご飯も申し分ないのに吉野屋で食ったっつー感じがしないのですわ。ここからは私の推測ですがおそらく我々が「〇〇(店の名前を入れてね)で××が食べたい!」と言う時、料理を楽しみたいという欲求の中にその店内の環境も多かれ少なかれ含まれている。例えばフランス料理食べたいと思ってフランス料理屋さんに行き、「Uの字テーブル」に座らされ、「へい!らっしゃい!」とか言われたら脱力するんじゃないでしょうか。吉野家コピペ風にいうと、「Uの字テーブルの向かいに座った奴といつ喧嘩が始まってもおかしくない、刺すか刺されるか、そんな雰囲気」でフランス料理は食いたくないものです。さらに極端な例をあげると、完全に無菌状態にされた一度も使用されてないピカピカのトイレとかでも、そこで飯食いたいとは思わないじゃないですか。ごちゃごちゃと書き散らしてきましたが、畢竟何が言いたかったかというと我々のご飯を食べるという行為は、周りの環境から独立しておらず、しかもそのことはそこでのご飯が「おいしかったorまずかった」ということに「無意識的に」作用する可能性があり、その場合客は環境によるものなのに「おいしかったorまずかった」の原因をご飯の質に帰してしまうかも知れず、その事実は例えば経営戦略的にも利用しうる(されうる?)のであり、軽視できないということです。