交錯する時間と空間『NINAGAWA十二夜』


蜷川幸雄氏演出でシェイクスピアを歌舞伎で表現するというアクロバティックな演劇『NINAGAWA十二夜』を観てきた(@新橋演舞場)。400年前と現代、そして日本と英国という二つの時間と二つの空間をクロスオーヴァーさせるものだったにも関わらず、それらが無理なくひとつに調和されていた。尾上菊之助氏は主膳之助と琵琶姫、そして琵琶姫が男装した獅子丸も含め一人三役を見事に演じ分けていた。歌舞伎といってもそんな敷居の高いもんじゃなくて、歌舞伎や演劇に疎い自分でもわかりやすくて面白かった。ところで客席はご年配の方がほとんどで、一幕目が終わるとみんな手馴れたようにすぐに持参していたお弁当を取り出し食べ始めていた。自分は何も用意しておらず、売店には高いものしか見当たらなかったので、近くのコンビニで済ませた。みんな新橋演舞場の常連さんだったのかもしれない。これからは日本の経済にとってこういうご年配の方々に楽しんでお金を使ってもらえる娯楽や文化が重要になってくるんじゃないかな。