『ニッポンの思想』佐々木敦

ニッポンの思想 (講談社現代新書)

ニッポンの思想 (講談社現代新書)

佐々木敦氏『ニッポンの思想』卒読。レビューはAmazonに書きました。

佐々木敦という人は音楽絡みでかなり前から知ってたけど、ここまでつぶさにポストモダン系思想をフォローしてたってのはこの本読んで初めて知った。けどあまり意外な感じはしなかった。むしろ「やはりか!」という感じだ。彼は音楽系の仕事ではいわゆるポストロックとか前衛音楽を中心に扱ってるんですね。大学生当時リアルタイムで浅田・中沢らの仕事を見てきた筆者には、90年代初頭のトータスをはじめとするポストロックの登場がポストモダニズム系の思想家たちの姿と重なったのではないかな、と。「ポスト」って名前が同じだけだろ!というツッコミもあるかもしれないけど、ポストモダンとポストロックって新しいパラダイムであるとか非物語性とか結構アナロジーしやすいんですね。だからトータスとかの登場見て佐々木さんは「これだ!」って感じでビビッときたはず(笑)。んで音楽批評界の浅田彰みたいな存在になろうとか思ったのかもしれない。まあ邪推ですけれども。