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脇田成『ナビゲート!日本経済』

読書

ツイッターのほうに書く意欲を吸い取られてここ最近ブログがまったく更新出来んかった…。本はけっこう読んでたので、その分、読書メモみたいなのをこれからまたちょこちょこ書いていこうと思うのココロ。

ナビゲート!日本経済 (ちくま新書)

ナビゲート!日本経済 (ちくま新書)

筆者は「リフレ派か構造改革派か」などといった既存の枠組みから考えはじめるのではなく、海外の経済理論を援用しつつ日本もそれに合わせようとするのでもなく、常識を疑い、緻密に丁寧に統計データを使って分析している。だからこそ筆者からは、日本経済の変動を長期的な"トレンド"と短期的な"サイクル"に区別し、"病状"によって構造改革ケインズ的な政策を使い分けよ、といった柔軟な知が生まれるのだろう。学者、かくあるべし。

比喩を用いたりしてなるべくわかりやすく書こうとしているのが伝わってくるが、けっこう専門的なところまで踏みこんではいる。しかしそれは「ここを削ってしまってはわかりやすくなっても意味がない」という筆者の誠実さの表れと捉えるべきだろう。

巷間に流布するリフレ派か構造改革派かという二元論は、おそらく筆者にとってナンセンスであろう。本書が硬直した日本経済の議論に風穴を開ければいいなと思う。

 景気の「診断」と「治療」
「平熱」と「発熱」―経済政策のインパク
「病状」の進行―経済の基本リズム
モルヒネ」としての金融政策
「病巣」の「転移」と「再発」―金融危機への波及
「手術」の成功と「リハビリ」の失敗―小泉構造改革
「老化」と「生活習慣病」―これからの日本

以上の全7章。