生きてます的な
温泉に行くも人大杉。屋外の日陰でひぐらしの鳴き声に囲まれながら本読んだりしてだらだら過ごす。
空模様の縫い目をたどって石畳を駆け抜けると夏は通り雨と一緒に連れ立って行ってしまうのです。
Edouard Machery "Concepts are Not a Natural Kind." Philosophy of Science, 72, 444-467
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ジャンルは「心理学の哲学」*1。
すべてではないにせよ多くの心理学者は概念を自然種*2だと思っているようだけれど(Macheryはこの見解を「自然種想定」と呼ぶ)、推論とかアナロジーとかそういう高次認知過程を科学するのであれば、そういう「自然種想定」は誤った想定だよ、というのがMacheryの主張。
概念というと(分析)哲学者と心理学者、一般の方で使われ方が違うと思うけど、この論文では心理学とか認知科学の学術語としての「概念」の話が中心であって、分析哲学(特に認識論)でいうところの「概念分析」はあまり関係ない。ので概念分析における概念について関心がある人が読んでも肩透かし食らうかも……。
Macheryの代案は「概念」をより基礎的なPrototypes、theories、exemplarsに分割して高次認知過程を考えようぜ、というもの。
「おばあちゃんスパイ」のような混成概念も、「おばあちゃん」や「スパイ」のプロトタイプの属性のいくつかが長期記憶から引き出されて組み合わされると考える。混成概念の話はセドリック・ブックスの「ホモ・コンビナンス」を想起したな。この二人が互いに参照したら面白いんじゃないかしら。
さて、そうなると(分析)哲学での「概念」との関係が気になってくるが、それは”Doing without Concept”という本の第2章「哲学における概念」で少し扱ってる。
- 作者: Edouard Machery
- 出版社/メーカー: Oxford University Press, U.S.A.
- 発売日: 2011/07/18
- メディア: ペーパーバック
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この本裏表紙でスティーブン・スティッチ先生がお褒めの言葉を寄せている。
Machery has written a bold, original and important book. If he's right, and I suspect that he is, then both philosophers and psychologists who write about concepts will have to do some quite fundamental rethinking.