2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

日本カント協会編『日本カント研究8 カントと心の哲学』

戸田山和久「カントを自然化する」認知科学の基本的なテーゼのいくつかはカントにまで遡る、というのは古くから指摘されていて、デネットは、およそ何者かが経験することができるのはいかにしてか、というカントの問いを、システムがどのようにしたらXを成し…

映画『kocorono』観てきた

渋谷のシアターNでbloodthirsty butchersのドキュメンタリー映画を観てきた。 タイトルは『kocorono』でこれは彼らの1996年の傑作アルバムのタイトルでもある。メンバーの活動の映像が中心で、所々に吉野さんとかSEIKIさんといった界隈の人たちがコメントし…

中山康雄『現代唯名論の構築』

人文書院のブックガイドシリーズの『科学哲学』を書いていた中山康雄氏による、自身の考えをかなり前面に打ち出した勝負の一冊。『科学哲学』もよかったが、本書もいい。ところでこの本、タイトルはいまいちな気がする。「唯名論」という字を見てもなんとな…

ルース・ギャレット・ミリカン『意味と目的の世界』

分析哲学者とか認知心理学者が対象にしている、表象とか志向性とか心身問題などを扱う分野に興味があるけどこの2010年代に、身体になにやら魂が宿っているという二元論を主張し続ける覚悟もなく(今そんな主張してると電波とか呼ばれますマジで)、しかし「…

アール・コニー+セオドア・サイダー『形而上学レッスン』

形而上学レッスン―存在・時間・自由をめぐる哲学ガイド (現代哲学への招待Basics)作者: アールコニー,セオドアサイダー,Earl Conee,Theodore Sider,小山虎出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2009/12メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 141回この商品を含むブ…

サイモン・エヴニン『デイヴィドソン 行為と言語の哲学』

最近デイヴィドソンが気になってて、前の記事で紹介した森本浩一氏や戸田山和久氏なども推薦している本格的なデイヴィドソンの解説書に手を出してみた。森本氏の入門書は言語哲学を中心に扱っていたけど、デイヴィドソンは行為や心についての哲学、形而上学…