2013-01-01から1年間の記事一覧

ダニエル・デネット『「志向姿勢」の哲学』

主に英語圏の心の哲学などの分野で、素朴心理学(=解釈理論)ってのがあって、これ、どうも「古代から人々が実際に使っている」とか、「いや分析哲学で形成された哲学理論だ」とか見解が分かれているようなのですが、ここでは信念体系の整合性や合理性を中…

ドミニック・オフレ『評伝アレクサンドル・コジェーヴ―哲学、国家、歴史の終焉』

フランスのヘーゲル受容に興味があったので読んでみまつた。著者のドミニック・オフレは1958年生まれの精神分析家で、本書の原典はパリ人文社会科学アカデミーのジラルド賞というのを受賞しているのだそう。 8925円673ページの大著で(おれ新品で買った)、…

I.ニース+A.M.スープレナント『記憶の原理』

はじめにいっとくと、「テストに合格する」といった自己啓発(?)みたいなの期待するとおそらく肩透かしを食うので、そういうのを求めてる方は他を当たるべし。本書は一般向けの逸話やエピソードは控えめで、そのぶんデータの吟味、対立する知見の間の矛盾…