イアン・ハッキング『言語はなぜ哲学の問題になるのか』
もはや古典の感すら纏いつつある一冊。
オリジナルは1975年に書かれたものですが、重要ということで。まあ、そのことに留意しつつ読む必要があるけど。
しかし19世紀の本とかだと古い感じがしないのに、70年代、80年代の本の、この古臭さってなんでしょうね笑
ハッキングはカナダ出身の科学哲学者。本書は言語を問題とする哲学の系譜やその起源を追っている。
主要な登場人物は次のとおり。
ホッブス、ライプニッツ、チョムスキー、ラッセル、ウィトゲンシュタイン、エイヤー、ポパー、ファイヤアーベント、デイヴィドソン…あとはパースなんかもちょっと出てきますね。
他の面子はともかくデイヴィドソンはわりと最近まで生きていたお方なので、特に本書が書かれた時期を念頭におく必要がある。本書が書かれてから微妙にアイデアに変化があったぽいし。とはいえ75年までのデイヴィドソンの哲学(前期デイヴィドソン?)を知るにはよいのではないかと。
言語なんて人によって想起するものが違っててコミュニケーションなんて成り立ってるようで成り立ってないんじゃないか?とか、そういうことを考えたことがある人に激しくレコメンします。ちょっと、というかけっこう、哲学史などの前提知識がいりますが。
- 作者: イアン・ハッキング,伊藤邦武
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 1989/05
- メディア: 単行本
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